蛇衣を脱ぐその存在の軽さゆえ

トンネルを抜けたか娘いい笑顔

家族合わせ一人の母が手に残る

まだ騒ぐ血があり峡の畑を打つ

妻の目には寂しがり屋と見える僕

花の命見ている妻の老眼鏡

ものわかりの良い父を演じた無念の日

男女共同参画翔べなくなった男たち

年輪の柾目を生きてきた自信

好きな花好きな風あり田舎道

年輪の柾目を生きてきた自信

好きな花好きな風あり田舎道

子育ての海で溺れている娘

言い過ぎた一言を悔い皿洗う

喜怒哀楽知ってる枕抱いて寝る

でもという言葉を吐いて貝になる

平凡の血がサラサラと心地よい

あきらめの木を接木して春を待つ

身の丈を映す鏡の中に住む

諦めか悟りか妻の薄笑い

善人でいよう悪運尽きるまで

火気厳禁カンシャク玉が破裂する

一人居になればこんなか妻の留守

猫でもいい自分の時間で生きてみる

咳一つして気まずさの席を立つ

ラブストーリー読みかけのまま春の宵

 洋一 作品集